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第81話 「クールビズ」に想う

日本の梅雨時から夏にかけての気候は高温多湿で、ネクタイを締めて背広の上着着用のスタイルは、忍耐を通り越して時にはこっけいだとかねがね思っていたから、今年、政府の音頭とりで始まった「クールビズ」はせいぜい利用をと考えたが、意外に難しいことが解ってきた。この種の習慣変更はみんなが一斉に始めないと難しいし... 続きを読む

第80話 ホテルの鴨の異変

9話と56話で紹介したホテルの池へ毎年飛来する鴨は、春から夏にかけて旅人の心をなごませてくれる一服の清涼剤だが、今年はその鴨に異変が起こったのである。 一昨日朝食のときに、池に鴨が一羽だけ泳いでいたので支配人に「なぜ?」と聞いて見たら、先日となりの神社の山から忍び込んできたヘビにやられてしまい、一羽... 続きを読む

第79話 戦争と平和 – 8月15日に

夏休みこども科学相談なる番組を車の中でラジオで聞いていたらこんなのがあった。 「蜂はなぜ黒い服の人を狙って刺すのですか」小学校4年生だが、これに答える専門家は「良く知っていましたね。黒い衣服が狙われることは事実です。だからミツバチの業者は作業のときは白い服を着ますし、蜂の巣を除去する作業も必ず白服な... 続きを読む

第78話 ささやかな贅沢か

目の前に出される料理の量が多いと私の食欲はとたんに落ちてしまうのである。せっかく一生懸命に作ってたくさん食べてもらいたいと提供する立場を考えるとまことに申し分けない事だが、そうなってしまうから致し方ない。 そういえば似たような記憶がいくつか思い出される。山口県のある川の上流に鮎料理の店があり、シーズ... 続きを読む

第77話 李登輝いまの日本を憂う

台湾の前総統李登輝が最近の著作「武士道解題」の中で「国際社会全体が不況と不安に晒されているときに、最も頼りになるべき国のひとつ(日本および日本人)まで混乱と混沌の中を漂流し続けていたら、人類社会そのものが羅針盤を失いかねない」と書いている。彼がこれほどまで日本と日本人を買っているのは、日本に生まれ台... 続きを読む

第76話 自動化のプラスマイナ

 オーストラリアの幾つかのホテルに泊まってみて気がついたのは、バスタブにオーバーフローの孔がないことである。過去何回かのときも全く同じ思いをもったが何故だろうか。オーバーフローの孔がなければ、お湯を入れるときどうしても慎重にならざるを得ない。床にまで溢れさせては大変なことになるからである。このことは... 続きを読む

第75話 葉っぱビジネスで村興し

「ひとりごと」を10ケ月も休んでしまった。そろそろ再開しよう。  四国の僻地の山村での話である。もともとみかんの産地であったが、台風の大きな被害とその後の価格下落でみかんの栽培ができなくなり、ほかの産業もなく、耕地も少なくて若者は町へ出てしまい、65歳以上が50%という過疎の村である。   農協の職... 続きを読む

第74話 転落の歴史に何を見るか

 「戦前の帝国陸海軍の転落の歴史から、同じ官僚組織にいる現在の行政マンが何を学ぶべきかという問題意識から出発した。だが、その旅は、組織論的なヒントをつかむといった次元を超えて、日本社会の底流に触れ、歴史のうねりというものにまで及ぶこととなった。」   著者がはじめに述べているとおり、日露戦争とノモン... 続きを読む

第73話 ブランド志向その2

 食品製造加工での品質認証制度といえばHACCPで、これはISO9000などよりさらに厳しい制度ときいているが、雪印食品の事件が明るみに出てみると、HACCPは一体なんだったのかと言うことになる。  安易にブランドを信用しているとこんなことになってしまうのだが、さてそれではなにを信用して行くのか。 ... 続きを読む

第72話 号令社会と40年体制

 このごろ「号令」をかけられて行動することが、気にかかってきた。お葬式では葬式業者が「合掌」しばらくして「礼拝」といかにも厳かそうに号令をかけて、会葬者もなんの不思議もなく一斉に行動を起こす。昔のお葬式にはこんなしきたりはなかった筈で、一体いつ頃からこんなことにしてしまったのか。いいピアノ演奏とか、... 続きを読む